装丁(46・並)

核戦争の脅威がある中で、最も安上がりな国防は核保有であることを説くことで知られる矢野義昭先生。

京都大学の工学部機械工学科卒業の後、同文学部中国哲学史科を卒業後に自衛隊に入隊。最後の職階は、陸上自衛隊小平学校副校長・陸将補を務められる。
現在 岐阜女子大学客員教授。国家生存戦略研究会会長。

矢野義昭先生の著書
   『危機対策必携マニュアル―天災・人災・戦災に備える』(勉誠社)18/08

危機に備えよ!大規模自然災、核ミサイル、領土紛争、等々…。危機時には、人命と組織の存亡は、リーダーの指示にかかわる。故にリーダーには、人命と組織を守り抜く責任がある。危機管理の手法には、共通した手順と行動がある。この手順を理解し、行動すれば、どんな危機にも対応できる。
平常時の準備段階、危機に直面した時、危機が収束に向かった時、リーダーはいかに行動すべきか。

組織と基盤作り、情報、意思決定、計画化、訓練、対処行動、リスク・コミュニケーション、教訓反映など、具体的な手法とノウハウを網羅し、分かりやすく説いたのが本書。

『危機対策必携マニュアル―天災・人災・戦災に備える』 (勉誠社)の構成
はじめに
第1章 危機管理とは?
1 リスク・マネジメントとクライシス・マネジメントは違うが危機管理の重要性は変わらない
2 危機管理意識の薄い日本人
3 「馬鹿な大将、敵より怖い」
4 個人の危機管理

第2章 危機が「起こる前」の用意と心構え
1 「目標」の設定
2 組織を作る~どのようにして危機対処チームを作るか
3 情報業務における経営者側の責任

第3章 計画を立てる
1 計画の効果と準備段階のサイクル
2 目的の理解と目標の分析
3 危機シナリオを描く
4 計画を作る

第4章 どのように訓練を管理するか
1 訓練管理のサイクル
2 訓練目的と目標の分析
3 訓練計画の作成
4 訓練環境の整備と訓練準備

5 訓練の段階的な積み上げ
6 判断力を鍛えるための図上シミュレーション
7 コストとリスクを伴うが効果も大きい実動訓練
8 精度は高いがコストと手間のかかるコンピューター・シミュレーション

9 効果的な訓練直後の意見交換会
10 教訓の抽出と普及のためには
11 リアルな訓練を行うためには
12 命令の出し方、伝え方


 

第5章 危機発生! その時情報業務をどう動かすか
1 危機時の情報要求の出し方と情報の整理
2 危機時に常に収集すべき共通的な情報要求
3 危機時の情報業務のポイント―収集努力の集中とトップへの速報
4 危機が外部にあるときの情報収集

5 危機が内部にあるときの情報収集
6 情報の分析と綜合
7 兆しを見抜く

第6章 危機発生! 被害を最小限にとどめるマネジメント
1 初動対処
2 被害局限
3 応急復旧
4 本格復興

第7章 コミュニケーターとヒストリアン
1 部外者への対処―コミュニケーターの役割
2 教訓をどう生かすか―ヒストリアンの役割

第8章 リーダーシップ
1 ひとりのリーダーの判断に従って動く―平常時からの切換え
2 規律の維持
3 危機時のリーダーに求められる智と勇
4 危機時のリーダーと平常時のリーダー

第9章 日常生活の中でのひとりひとりの「危機管理」術
1 どう自分の身を守るか
2 組織の危機管理の共通原則に基づく行動計画
3 訓練の実施
4 災害以外のリスク

おわりに
主な参考文献


 


   

                               


矢野義昭先生のプロフィール
昭和25年大阪府生まれ。
47年京都大学工学部機械工学科卒。同年同文学部中国哲学史科に学士入学、49年卒。

久留米陸上自衛隊幹部候補生学校入校、美幌第6普通科連隊長兼美幌駐屯地司令、
第一師団副師団長兼練馬駐屯地司令などを歴任。
平成18年小平学校副校長をもって退官(陸将補)。
令和4年日本安全保障フォーラムを設立し会長就任。
現岐阜女子大学客員教授。
元拓殖大学客員教授、日本経済大学大学院特任教授、
令和5年公益財団法人アパ日本再興財団主催 「真の近現代史観」懸賞論文最優秀藤誠志賞受賞。

【近著】
『核抑止の理論と歴史~核の傘の信頼性を焦点に』 共著  (勉誠出版)21/10
『核拡散時代に日本が生き延びる道 独自の核抑止力の必要性』 (勉誠出版)20/04
『危機対策必携マニュアル―天災・人災・戦災に備える』 (勉誠社)18/08

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