2020年~2040年の間に、人口は1525万人減る。マーケットは年々縮小、企業も自治体も人材不足に陥り、一人暮らしの高齢者が激増する。人口減少・少子高齢化社会でどんなビジネスをすればいいのか、どう人生設計を立てればいいのか?、人手不足は外国人、女性、高齢者、AIで解決できるのか? 戦略的に縮むためにすべきことは何か。
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河合 雅司 (かわい まさし)講師のプロフィール [作家/ジャーナリスト/一般社団法人人口減少対策総合研究所理事長]
として知られる河合雅司先生の著書
『未来の年表~業界大変化 瀬戸際の日本で起きること』 講談社現代新書 (講談社)22/12のご紹介
新型コロナウイルス感染症のパンデミック、ロシアのウクライナ侵攻による各国経済に生じた大ダメージ……経済を不安定にする出来事は度々起こるが、経済上の危機は大概「時間」が解決してくれる。が人口減少はそうはいかない。結婚、妊娠・出産に対する人々の価値観の変化がもたらした社会構造上の問題であり、政府の失敗の結果や人為的に起こされたことではないから。多くの人が「多産社会に戻そう」と価値観を変える事でもない限り、将来にわたって人口減少は続く。と河合先生は言う。
日本が人口現象に打ち克つためにはどうしたらいいのか?の解を、「経済成長を止まらない様にすることだ」と説く。人口減少&少子高齢化をとめられないとしても、マーケットが縮小しても成長するビジネスモデルへと転換すること。各企業が成長分野を定め、集中的に投資や人材投入を行う事=「戦略的に縮む」。売上高から利益高へと経営目標をシフトさせる。ことを勧める。
本書は2部構成。第1部は、各業種やビジネスを支える公共サービスの現場で起きつつある課題を人口減少の観点でとらえる。このまま対策を講じなければ各業界や職種で今後何が起きるのか、未来の可視化作業=ビジネス版「未来の年表」。
第2部では「戦略的に縮む」という成長モデルの手順を深堀りし、「未来のトリセツ(10のステップ)として、人口減少化における企業の勝ち残り策として提言。
重要なのは①各企業・行政機関が事業をスリム化し、得意分野に資本や人材などを集中投入すること。②従業員・職員個々のスキルアップを図り、労働生産性を向上させること。
河合先生は代表作『未来の年表』で、少子高齢化や人口減少がもたらす巨大な危機について、いつ何が起きるのか「人口減少カレンダー」として体系的に示した。人口減少を「静かなる有事」と名付けた。
じわじわと日本社会を蝕み、その変化に気づいたときには手遅れ。そうしないため、ビジネスモデル転換と、あらゆる社会システムを、一刻でも早く人口減少に耐え得るものへとつくりかえなかれば、と。その道筋を示すものを図ったのが本書。
『未来の年表~業界大変化 瀬戸際の日本で起きること』 講談社現代新書 の構成
はじめに
序章 人口減少が日本にトドメを刺す前に
第1部 人口減少日本のリアル
革新的ヒット商品が誕生しなくなる――製造業界に起きること
整備士不足で事故を起こしても車が直らない――自動車産業に起きること
IT人材80万人不足で銀行トラブル続出――金融業界に起きること
地方紙・ローカルテレビが消える日――小売業界とご当地企業に起きること
ドライバー不足で10億トンの荷物が運べない――物流業界に起きること
みかんの主力産地が東北になる日――農業と食品メーカーに起きること
30代が減って新築住宅が売れなくなる――住宅業界に起きること
老朽化した道路が直らず放置される――建設業界に起きること
駅が電車に乗るだけの場所ではなくなる――鉄道業界に起きること
赤字は続くよどこまでも――ローカル線に起きること
地方に住むと水道代が高くつく――生活インフラに起きること
2030年頃には「患者不足」に陥る――医療業界に起きること1
「開業医は儲かる」という神話の崩壊―医療業界に起きること2
多死社会なのに「寺院消滅」の危機――寺院業界に起きること
会葬者がいなくなり、「直葬」が一般化―葬儀業界に起きること
「ごみ難民」が多発、20キロ通学の小学生が増加――地方公務員に起きること
60代の自衛官が80~90代の命を守る――安全を守る仕事に起こること
第2部 戦略的に縮むための「未来のトリセツ」(10のステップ)
ステップ1 量的拡大モデルと決別する
ステップ2 残す事業とやめる事業を選別する
ステップ3 製品・サービスの付加価値を高める
ステップ4 無形資産投資でブランド力を高める
ステップ5 1人あたりの労働生産性を向上させる
ステップ6 全従業員のスキルアップを図る
ステップ7 年功序列の人事制度をやめる
ステップ8 若者を分散させないようにする
ステップ9 「多極分散」ではなく「多極集中」で商圏を維持する
ステップ10 輸出相手国の将来人口を把握する
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